韓国語の指示語이・그・저(日本語のこ・そ・あに対応)と、「뭐예요?(何ですか?)」の疑問、「이/가 아니에요(〜ではありません)」の名詞文否定を、会話例とともに日本語話者向けに解説。
🎯 学習目標
この第4講を終えると、あなたは目の前のものを指して「これは何ですか?」と尋ね、「これは本です」と答えることができるようになります。さらに、韓国語の指示語「이・그・저(これ・それ・あれ)」の体系を理解し、「〜ではありません」という名詞文の否定も作れるようになります。第3講で学んだ「이에요/예요」を土台に、表現の幅を一気に広げる講です。
この講のうれしいポイントは、韓国語の指示語が日本語の「こ・そ・あ」とほぼ同じ仕組みだということです。日本語話者にとって、これは大きなアドバンテージになります。ゴールは3つです。第一に、이・그・저を距離感に応じて使い分けること。第二に、「무엇입니까?/뭐예요?(何ですか?)」で物の名前を尋ねること。第三に、「이/가 아니에요(〜ではありません)」で否定文を作ることです。会話例も交えながら進めましょう。
👉 이・그・저 — 韓国語の指示語システム
この節では、韓国語の指示語の全体像をつかみます。ここを最初に体系として理解すると、あとの暗記がとても楽になります。
韓国語の指示語は、日本語の「こ・そ・あ」と同じく3つの距離感で区別します。話し手に近いものが「이(こ)」、聞き手に近い・または話題に出た既知のものが「그(そ)」、両者から遠いものが「저(あ)」です。この3対応は日本語とほぼ重なるので、感覚的に理解できます。
| 距離 | 連体詞(〜の) | もの(〜れ) | 場所 | 日本語 |
|---|---|---|---|---|
| 話し手に近い | 이(この) | 이것 / 이거(これ) | 여기(ここ) | こ |
| 聞き手に近い・既知 | 그(その) | 그것 / 그거(それ) | 거기(そこ) | そ |
| 両者から遠い | 저(あの) | 저것 / 저거(あれ) | 저기(あそこ) | あ |
使い方を見てみましょう。「이(この)・그(その)・저(あの)」は、うしろに名詞を付けて使います。例:「이 사람(この人)」「그 책(その本)」「저 건물(あの建物)」。一方、「이것・그것・저것」は「これ・それ・あれ」という独立した「もの」を指す言葉で、会話では縮約した「이거・그거・저거」がよく使われます。場所を指すときは「여기(ここ)・거기(そこ)・저기(あそこ)」です。
日本語との小さな違いも知っておきましょう。「그」は、目の前にある聞き手の近くのものだけでなく、会話ですでに話題に出たもの・お互いが知っているものを指すときにも使います。これは日本語の「そ」が「その話」「それ」のように既出のものを指すのと同じ感覚なので、やはり違和感なく使えます。距離だけでなく「すでに知っているか」という観点もある、と覚えておきましょう。
❓ 「これは何ですか?」— 名詞文の疑問と答え
この節では、指示語を使って物の名前を尋ねる表現を学びます。旅行や買い物でもすぐ使える、実用度の高いフレーズです。
「何」にあたる疑問詞は、あらたまった形が「무엇(ムオッ)」、会話でよく使う縮約形が「뭐(ムォ)」です。これに第3講で学んだ「입니까?/예요?」を付けて疑問文を作ります。フォーマルなら「이것은 무엇입니까?(これは何ですか?)」、日常会話なら「이거는 뭐예요?(これ何ですか?)」となります。文頭の「이것은/이거는」の「은/는」は「〜は」を表す助詞で、詳しくは第6講で扱います。今は「主題を示す印」として丸ごと覚えてください。
答えるときは、第3講の「이에요/예요」「입니다」をそのまま使います。「이것은 무엇입니까?」と聞かれたら、「이것은 책입니다.(これは本です。)」、「이거 뭐예요?」と聞かれたら「이거는 책이에요.(これは本です。)」と答えます。前の名詞「책」はパッチムㄱで終わるので「책이에요」、母音終わりの「의자(椅子)」なら「의자예요」となる点も、第3講の復習です。
「はい/いいえ」で答える疑問文も作れます。「이것은 책이에요?(これは本ですか?)」に対して、肯定なら「네, 책이에요.(はい、本です。)」、否定なら「아니요, 책이 아니에요.(いいえ、本ではありません。)」と答えます。この「아니에요(〜ではありません)」が次の節のテーマです。
🚫 「〜ではありません」— 名詞文の否定
この節では、名詞文を否定する方法を学びます。「〜です」の反対、「〜ではありません」を作れるようになると、表現の幅がぐっと広がります。
名詞文の否定は、「名詞 + 이/가 아니에요」という形で作ります。「아니에요」は「違います・〜ではありません」を表す決まった言い方(否定の指定詞「아니다」の해요体)で、フォーマルでは「아닙니다」になります。ポイントは、否定する名詞のうしろに助詞「이/가」を付けることです。
「이/가」のどちらを使うかは、第2講・第3講と同じく名詞の終わり方で決まります。名詞がパッチム(子音)で終われば「이」、母音で終われば「가」です。例を見てみましょう。
- 책(本、パッチムあり)→ 책이 아니에요.(本ではありません。)
- 의자(椅子、母音終わり)→ 의자가 아니에요.(椅子ではありません。)
- 일본 사람(パッチムあり)→ 일본 사람이 아니에요.(日本人ではありません。)
文全体で見ると、「이것은 책이 아니에요.(これは本ではありません。)」「저는 학생이 아니에요.(私は学生ではありません。)」のようになります。肯定の「이에요/예요」は名詞に直接くっつくのに対し、否定は「이/가 아니에요」と助詞をはさんで2語になる点が、最も間違えやすいところです。「肯定はくっつく、否定ははさむ」と対で覚えましょう。
| 意味 | 해요体 | フォーマル(입니다体) |
|---|---|---|
| 本です | 책이에요 | 책입니다 |
| 本ではありません | 책이 아니에요 | 책이 아닙니다 |
| 椅子です | 의자예요 | 의자입니다 |
| 椅子ではありません | 의자가 아니에요 | 의자가 아닙니다 |
🗣️ 会話で使う — 物の名前を尋ねる
この節では、ここまでの表現を組み合わせた実際の会話を練習します。声に出して読み、型を体に染み込ませましょう。
A: 이거는 뭐예요?(これは何ですか?)
B: 그거는 한국어 책이에요.(それは韓国語の本です。)
A: 그럼, 저것은 뭐예요?(じゃあ、あれは何ですか?)
B: 저것은 시계예요.(あれは時計です。)
A: 이거는 사전이에요?(これは辞書ですか?)
B: 아니요, 사전이 아니에요. 공책이에요.(いいえ、辞書ではありません。ノートです。)
この会話には学習のヒントが詰まっています。Aが手元のものを指すときは「이거(これ)」、Bが自分の近くのものを指して答えるときは「그거(それ)」を使っています。話し手と聞き手の立場が入れ替わると、同じ物でも이거↔그거と呼び方が変わる——これは日本語とまったく同じ感覚です。また、最後のやりとりでは「사전이 아니에요(辞書ではありません)」と否定し、「공책이에요(ノートです)」と正しい名前を示しています。否定と肯定をセットで使うこの言い方は、会話で非常によく登場します。
身の回りの物の名前も少し覚えておくと、すぐ練習に使えます。책(本)・공책(ノート)・사전(辞書)・시계(時計)・의자(椅子)・책상(机)・가방(カバン)・휴대폰(携帯電話)などです。これらを「이거는 ○○예요/이에요」の型に当てはめて、部屋の中の物を指しながら言ってみましょう。
⚠️ よくある間違いと注意点
この節では、入門者がつまずきやすいポイントを具体的に挙げます。
間違い1:否定文で이/가を抜かす。 「책 아니에요(×)」は誤りで、正しくは「책이 아니에요」です。否定の「아니에요」の前には必ず助詞이/가が必要です。肯定(책이에요)にはこの助詞がないので、否定のときだけ「이/가」をはさむ、と区別して覚えましょう。
間違い2:이/가の選び方を間違える。 パッチムで終われば이、母音で終われば가です。「의자이 아니에요(×)」ではなく「의자가 아니에요」。第2講のパッチムの知識がここでも生きます。
間違い3:이거と그거を立場で取り違える。 自分の近くのものは이거、相手の近くのものは그거です。相手が手に持っている物を「이거」と呼ぶのは不自然で、「그거」が正解です。日本語の「これ・それ」と同じく、話し手から見た距離で判断しましょう。
間違い4:「무엇」と「뭐」を混同して使う。 どちらも「何」ですが、「무엇」はあらたまった書き言葉・フォーマルな場面、「뭐」は日常会話で使います。「무엇예요(×)」のような混ぜ方は避け、フォーマルなら「무엇입니까?」、会話なら「뭐예요?」とそろえましょう。
📝 まとめと次回予告
第4講の要点を整理します。チェックリストで確認しましょう。
- 指示語は이(こ)・그(そ)・저(あ)の3体系で、日本語の「こ・そ・あ」とほぼ同じ。もの=이거/그거/저거、場所=여기/거기/저기。
- 「何ですか?」はフォーマルで무엇입니까?、会話で뭐예요?。
- 名詞文の否定は「名詞 + 이/가 아니에요(아닙니다)」。パッチムあり→이、母音終わり→가。
- 肯定は名詞に直接くっつく(책이에요)、否定は助詞をはさむ(책이 아니에요)。
- 話し手と聞き手の立場が変わると、이거↔그거の呼び方も変わる。
指示語と名詞文は、実物を指して練習すると驚くほど早く定着します。今日の会話例を、AとBを入れ替えながら音読してみてください。次の第5講「数字と時間 — 漢字語数詞・固有語数詞」では、韓国語に2種類ある数の数え方を学びます。「하나, 둘, 셋(ひとつ、ふたつ、みっつ)」という固有語の数と、「일, 이, 삼(いち、に、さん)」という漢字語の数を使い分け、値段や時間を言えるようになります。生活に直結する重要回です。
📚 参考資料
관련 주제
- 이/그/저 지시어
- 뭐예요 의문문
- 이/가 아니에요 부정문
- 명사문
- 일본어 こ・そ・あ 대응
- 외국어
- 외국어 강의
- 한국어능력시험(TOPIK) 1급 20강
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