願望の表現 -고 싶다(〜たい)を学びます。作り方と過去・否定、自分の願望(고 싶다)と他人の願望(고 싶어하다)の使い分け、そして会話での願望の伝え方を、日本語の「〜たい/〜たがる」と対照しながら習得します。
🎯 学習目標
この講を終えると、あなたは -고 싶다 を使って、「韓国に行きたいです」「キムチを食べたいです」のように、自分の願望を伝えられるようになります。第14講までで動詞・否定を学びましたので、そこに「〜したい」が加わると、自分の希望を相手に伝えられ、会話がぐっと積極的になります。
ここでも日本語話者には大きな強みがあります。-고 싶다 は日本語の 「〜たい」にそのまま対応します。さらに、日本語に「自分は行きたい」と「他人は行きたがる」の区別があるように、韓国語にも 고 싶다(自分)と 고 싶어하다(他人) の区別があり、これも日本語の「〜たい/〜たがる」と見事に対応します。母語の感覚をそのまま活かせるテーマです。
この講では、まず -고 싶다 の作り方と活用(過去・否定・疑問)を学び、次に自分と他人で表現が変わる仕組み、そして会話での使い方まで進みます。
💭 -고 싶다 — 「〜たい」を表す
この節では、願望表現の基本を学びます。「〜したい」と言うには、動詞の語幹に「-고 싶다」をつけます。해요体にすると 「-고 싶어요」 です。第10講で学んだ語幹の取り出し方を思い出してください。「가다(行く)」なら語幹「가-」に고 싶어요をつけて 가고 싶어요(行きたいです)、「먹다(食べる)」なら 먹고 싶어요(食べたいです) となります。
うれしいことに、この「-고」の部分は母音調和の影響を受けず、いつも「-고」のままです。第10講の해요体では語幹の母音によって아요/어요を選ぶ必要がありましたが、「-고 싶다」は語幹に「고」をつけるだけなので、活用がとても簡単です。「마시다→마시고 싶어요(飲みたいです)」「공부하다→공부하고 싶어요(勉強したいです)」のように、どんな動詞でも語幹に「고 싶어요」を足すだけで願望文ができます。
目的語の助詞についても触れておきましょう。「水を飲みたい」は「물을 마시고 싶어요」が基本ですが、願望を強調して「물이 마시고 싶어요」と「이/가」を使うこともできます。どちらも自然なので、初級では「을/를」を使っておけば問題ありません。「-고 싶다」は願望を表す補助形容詞なので、活用は形容詞と同じく해요体のルールに従い、「싶어요」となります。
🔧 作り方と活用 — 過去・否定・疑問
この節では、-고 싶다 のさまざまな活用を学びます。願望は「今〜したい」だけでなく、「〜したかった」「〜したくない」とも言えると、表現が一気に広がります。
過去(〜したかった)は、第11講で学んだ過去形を「싶다」に適用して 「-고 싶었어요」 とします。「가고 싶었어요(行きたかったです)」「먹고 싶었어요(食べたかったです)」のように使います。「싶다」を「싶었어요」に変えるだけです。たとえば「어렸을 때 가수가 되고 싶었어요(子どものころ歌手になりたかったです)」のように、昔の夢を語ることもできます。願望の時制は、動詞ではなく後ろの「싶다」を活用させるのがポイントです。動詞部分(가고・먹고)は変えず、「싶다」だけを現在・過去・否定に変える、と覚えておくと混乱しません。
否定(〜したくない)には2つの方法があります。1つは第14講で学んだ「안」を使う方法で、「안 가고 싶어요」。もう1つは長い否定形で、「가고 싶지 않아요」です。どちらも「行きたくないです」を表します。疑問(〜したいですか)は、これまでと同じく語尾を上げて「?」をつけるだけで、「뭐 먹고 싶어요?(何が食べたいですか)」「어디에 가고 싶어요?(どこへ行きたいですか)」のように尋ねられます。相手の希望を聞くときにとても便利な表現です。
👥 自分と他人 — 고 싶다 と 고 싶어하다
この節では、韓国語の願望表現の重要なルールを学びます。実は「-고 싶다」は、原則として自分(一人称)や、相手に尋ねるとき(二人称)にしか使えません。「他人(三人称)が〜したがっている」と言うときは、「-고 싶어하다」という別の形を使います。
これは日本語とまったく同じ仕組みです。日本語でも、自分のことは「(私は)行きたい」と言いますが、他人のことは「弟は行きたがっている」と「〜たがる」を使いますね。韓国語も同じで、自分の願望は「저는 가고 싶어요(私は行きたいです)」、他人の願望は「동생이 가고 싶어해요(弟が行きたがっています)」となります。「-고 싶어하다」は「가고 싶어해요・먹고 싶어해요」のように活用します。
もう少し例を見てみましょう。「친구가 한국에 가고 싶어해요(友達が韓国に行きたがっています)」「아이가 아이스크림을 먹고 싶어해요(子どもがアイスを食べたがっています)」。一方、自分の希望なら「저도 가고 싶어요(私も行きたいです)」です。「自分=고 싶다、他人=고 싶어하다」——日本語の「〜たい/〜たがる」と同じ、と覚えれば、迷うことはありません。これは多くの外国語学習者がつまずく点ですが、日本語話者にとっては母語の感覚そのままで対応できる、大きなアドバンテージです。
💬 会話で使う — 願望の表現を広げる
この節では、願望表現を会話で活かす練習をします。-고 싶다 は、レストランや旅行、計画の相談など、あらゆる場面で活躍します。会話例を見てみましょう。「주말에 뭐 하고 싶어요?(週末に何をしたいですか)」「영화를 보고 싶어요.(映画が見たいです)」「뭐 먹고 싶어요?(何が食べたいですか)」「불고기를 먹고 싶어요.(プルコギが食べたいです)」のように、希望を聞いて答えるやりとりが自然にできます。
願望の強さを表す副詞を添えると、気持ちがより伝わります。第13講で学んだ「아주(とても)」「정말(本当に)」「너무(とても・〜すぎる)」を使って、「정말 가고 싶어요!(本当に行きたいです!)」「너무 먹고 싶어요.(すごく食べたいです)」のように言えます。願望は感情を伴うことが多いので、こうした副詞と組み合わせると、生き生きとした表現になります。
また、「〜が欲しい(物が欲しい)」と言いたいときは、動詞「갖다(持つ)」を使って 「-을/를 갖고 싶어요」 と表現します。「새 가방을 갖고 싶어요(新しいかばんが欲しいです)」のようにです。「〜したい(動作)」は -고 싶다、「〜が欲しい(物)」は 갖고 싶다、と整理しておくと便利です。なお、丁寧に希望を尋ねるときは「뭘 드시고 싶으세요?(何を召し上がりたいですか)」のように敬語の形もありますが、これは第21講で扱うので、今は「-고 싶어요」をしっかり使えるようにしましょう。願望を伝えられるようになると、相手に自分の気持ちを積極的に示せるようになり、会話がより双方向になります。
⚠️ 日本語話者がつまずくポイント
この節では、願望表現でよくある間違いを3つ整理します。
① 他人の願望に「고 싶다」を使う。 「동생이 가고 싶어요」は基本的に誤りで、他人には 「동생이 가고 싶어해요」 を使います。日本語の「弟は行きたがっている」と同じ、と覚えましょう。
② 「-고」を母音調和で変えてしまう。 「-고」は常に「고」のままで、「가고 싶어요」を「가아 싶어요」などとはしません。語幹に「고 싶어요」をそのまま足すだけです。
③ 過去・否定の位置を間違える。 過去は「싶다」を「싶었어요」に(가고 싶었어요)、否定は「안」を動詞の前に置くか「-고 싶지 않다」にします。願望の時制・否定は「싶다」の部分で操作する、と覚えておきましょう。
📝 まとめと次回予告
この講では、願望の表現を学びました。要点を振り返りましょう。
- -고 싶다(〜たい):動詞の語幹+고 싶어요(가고 싶어요)。「고」は母音調和の影響を受けない。
- 過去:-고 싶었어요。否定:안 …고 싶어요/…고 싶지 않아요。
- 自分=고 싶다、他人=고 싶어하다(日本語の「〜たい/〜たがる」と同じ)。
- 副詞(정말・너무)で願望を強調。物が欲しいときは 갖고 싶다。
願望が言えるようになると、計画や希望を相手と共有できるようになります。次の第16講「家族・人を紹介する」では、家族の呼び名や人を紹介する表現を学び、「私の家族は4人です」「これは私の友達です」のように、人について話せるようにしていきます。まずは今日の「-고 싶어요」を、自分の「したいこと」リストにして言ってみましょう。
📚 参考資料
관련 주제
- 희망 표현 -고 싶다
- 타인 희망 -고 싶어하다
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