韓国語の2種類の否定、안(単純・意志の否定=〜しない)と못(不可能の否定=〜できない)の使い分けを解説。用言の前に置く語順、長い否定形(-지 않다/-지 못하다)、「名詞+하다」動詞は間にはさむ(공부 안 해요)注意点を扱う。
🎯 学習目標
この第11講を終えると、あなたは韓国語で2種類の否定を使い分けられるようになります。「안 가요(行きません)」という意志の否定と、「못 가요(行けません)」という不可能の否定です。日本語でも「行かない」と「行けない」を区別しますね。韓国語ではこれを「안」と「못」という2つの言葉で明確に表します。日常会話で必ず使う、実用度の高い文法です。
ゴールは3つです。第一に単純否定「안(〜しない)」を使えること、第二に不可能の否定「못(〜できない)」を使えること、第三に両者の使い分けと、長い否定形・「하다」動詞での注意点を押さえることです。否定は会話で頻出するうえ、安と못を取り違えると意味が大きく変わってしまうので、ここでしっかり区別を身につけましょう。
🚫 안 — 単純否定「〜しない」
この節では、最も基本的な否定「안」を学びます。「〜しない」という、意志や事実としての否定です。
「안」は、動詞や形容詞のすぐ前に置くだけで「〜しない・〜くない」という否定文を作ります。語順は「안 + 用言」です。とてもシンプルで、活用を変える必要はありません。例を見てみましょう。
- 가요(行きます)→ 안 가요(行きません)
- 먹어요(食べます)→ 안 먹어요(食べません)
- 마셔요(飲みます)→ 술을 안 마셔요(お酒を飲みません)
「안」は、基本的に「自分の意志でしない」「単にそうではない」という否定を表します。日本語の「〜ない」にあたると考えてください。例えば「오늘 학교에 안 가요(今日は学校に行きません)」は、「行く用事がない・行かないと決めた」というニュアンスです。過去形にするときは、用言を過去形にして「안 갔어요(行きませんでした)」「안 먹었어요(食べませんでした)」とします。「안」自体は変化せず、うしろの用言だけが時制で変わる点を押さえましょう。
なお「안」は形容詞の否定にも使えます。「안 비싸요(高くないです)」「안 좋아요(良くないです)」のように、状態を否定するときも「안」を前に置きます。形容詞は第12講で詳しく学びますが、否定の作り方は動詞と同じだと覚えておきましょう。
🙅 못 — 不可能「〜できない」
この節では、もう1つの否定「못」を学びます。こちらは「能力や状況のせいで〜できない」という不可能を表します。
「못」も「안」と同じく、動詞のすぐ前に置きます。語順は「못 + 動詞」です。意味は「〜できない・〜られない」で、日本語の「〜できない」にあたります。発音上、「못」のパッチムは後ろの音とつながって変化しますが(例:못 가요[몯까요])、表記はそのまま「못」です。例を見てみましょう。
- 가요(行きます)→ 못 가요(行けません)
- 먹어요(食べます)→ 매워서 못 먹어요(辛くて食べられません)
- 마셔요(飲みます)→ 술을 못 마셔요(お酒が飲めません)
「못」が表すのは、「やりたくても、能力や状況のせいでできない」という不可能です。例えば「아파서 학교에 못 가요(具合が悪くて学校に行けません)」は、「行きたいけれど、病気で行けない」という意味になります。「お酒を못 마셔요」なら「体質的に飲めない」、「안 마셔요」なら「飲める けれど飲まない(意志)」と、ニュアンスがはっきり分かれます。なお「못」は能力に関わる動詞に使い、形容詞(状態)には基本的に使いません。「못 예뻐요(×)」とは言わない、と覚えておきましょう。
⚖️ 안と못の使い分け
この節では、「안」と「못」をどう選ぶか、判断の基準を整理します。ここが本講の核心です。
選び方はシンプルです。「自分の意志でしない」なら안、「能力・状況のせいでできない」なら못です。日本語に置き換えると、「〜ない」なら안、「〜できない・〜られない」なら못、と対応します。同じ動詞でも、どちらを使うかで意味がまったく変わるので、表で比べてみましょう。
| 韓国語 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 술을 안 마셔요 | お酒を飲みません | 飲めるが、飲まない(意志) |
| 술을 못 마셔요 | お酒が飲めません | 体質などで飲めない(不可能) |
| 운동을 안 해요 | 運動をしません | する気がない(意志) |
| 운동을 못 해요 | 運動ができません | けが・時間がないなどで不可能 |
この区別は、相手に与える印象も変えます。例えば誘いを断るとき、「안 가요(行きません)」は「行く気がない」と少しそっけなく響くことがありますが、「못 가요(行けません)」は「行きたいけれど事情があって」という、やわらかい断りになります。実際の会話では、断りの場面で「못」を使うと角が立ちにくい、という実用的なポイントも覚えておくと便利です。
📝 長い否定形と「하다」動詞の注意
この節では、もう1つの否定の言い方(長い形)と、「하다」動詞での特別なルールを学びます。ここを知らないと必ず間違えるので、しっかり押さえましょう。
これまでの「안 가요」「못 가요」は短い否定形で、会話でよく使われます。これに対し、長い否定形もあります。動詞の語幹に「-지 않다(〜しない)」「-지 못하다(〜できない)」を付ける形です。「가지 않아요(=안 가요)」「가지 못해요(=못 가요)」のようになり、やや改まった・書き言葉的な響きになります。意味は短い形と同じなので、まずは短い形を確実にし、長い形は「同じ意味の別の言い方」として知っておけば十分です。
最も注意すべきが、「공부하다(勉強する)」のような「名詞+하다」動詞の否定です。この場合、「안/못」は「하다」の直前、つまり名詞と하다の間に入れます。「안 공부해요」ではなく「공부 안 해요」、「못 공부해요」ではなく「공부 못 해요」が正しい形です。「운동하다→운동 안 해요」「일하다→일 안 해요」も同じです。これは「○○하다」が「○○(名詞)+する」という構造だからで、日本語の「勉強しない」が「勉強+しない」と分けられるのと似ています。
| 基本形 | 안の否定 | 못の否定 |
|---|---|---|
| 공부하다 | 공부 안 해요 | 공부 못 해요 |
| 운동하다 | 운동 안 해요 | 운동 못 해요 |
⚠️ よくある間違いと注意点
この節では、入門者がつまずきやすいポイントを具体的に挙げます。
間違い1:안と못を取り違える。 「意志でしない」のに못を使うと「能力がなくてできない」という別の意味になります。「ダイエット中でお酒を飲まない」なら「안 마셔요」、「体質で飲めない」なら「못 마셔요」。伝えたいニュアンスで選びましょう。
間違い2:하다動詞で位置を間違える。 「안 공부해요(×)」ではなく「공부 안 해요(○)」です。「名詞+하다」では안/못を間にはさみます。これは初級で最も多いミスの一つなので、必ず覚えてください。
間違い3:있다・알다を안で否定する。 「안 있어요(△)」ではなく「없어요」、「안 알아요(×)」ではなく「몰라요(知りません)」と、専用の反対語を使います。これらは「안」を付けずに別の単語になる、と覚えておきましょう。
間違い4:못を形容詞に使う。 「못」は能力の否定なので、状態を表す形容詞には使いません。「못 비싸요(×)」は誤りで、状態の否定は「안 비싸요(高くない)」とします。못は動詞専用、と整理しましょう。
📝 まとめと次回予告
第11講の要点を整理します。チェックリストで確認しましょう。
- 안=単純・意志の否定(〜しない)。用言の前に置く(안 가요)。形容詞にも使える。
- 못=不可能の否定(〜できない)。動詞の前に置く(못 가요)。形容詞には使わない。
- 使い分け:意志で「しない」→안、能力・状況で「できない」→못。
- 長い否定形:-지 않다(=안)/-지 못하다(=못)。
- 「名詞+하다」動詞は間にはさむ:공부 안 해요・공부 못 해요。
否定は、肯定文を否定に変える練習を繰り返すと定着します。今日学んだ動詞を「안」と「못」の両方で否定し、ニュアンスの違いを意識してみましょう。次の第12講「形容詞で描写する」では、「예뻐요(きれいです)」「맛있어요(おいしいです)」「비싸요(高いです)」のように、ものや人の様子を表す形容詞を学びます。形容詞も動詞と同じく해요体で活用するので、これまでの知識がそのまま活きる回です。
📚 参考資料
관련 주제
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- 능력 부정 못
- 부정 위치
- 지 않다/지 못하다
- 하다 동사 부정
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