目上の人を高める尊敬の語尾「-(으)시-」の作り方、依頼にもなる「-(으)세요」の二つの顔、계시다・드시다・주무시다などの特殊尊敬語、そして께서・성함・연세といった尊敬の助詞・名詞を学ぶ回です。韓国語が絶対敬語である点も日本語との違いとして押さえます。
🎯 この回の学習目標
韓国は儒教文化の影響で、年長者や目上の人への敬意を言葉で細かく表します。今回は、行為をする人(主語)を高める尊敬語「-(으)시-」を学びます。日本語にも敬語があるので、この感覚は日本人にとって理解しやすい分野です。
この回を終えると、次のことができます。第一に、動詞に「-(으)시-」を付けて尊敬形を作れること。第二に、依頼にもなる「-(으)세요」を使いこなすこと。第三に、계시다・드시다のような特殊尊敬語と、께서・성함といった尊敬の助詞・名詞を使い、目上の人に自然に話せるようになることです。日本語と似ている点、そして異なる点の両方を意識して進めましょう。
👑 尊敬形の作り方 — -(으)시-
このセクションでは、尊敬の基本となる語尾「-(으)시-」を学びます。これは行為をする人(主語)を高めるための語尾で、語幹と語尾の間に挟みます。
作り方はパッチムの有無で決まります。語幹が母音で終わるなら「시」、子音で終わるなら「으시」を付けます。丁寧な会話では「-(으)세요」の形になります。「가다(行く)」なら「가세요(行かれます)」、「읽다(読む)」なら「읽으세요(お読みになります)」、「하다(する)」なら「하세요(なさいます)」です。
| 基本形 | 尊敬(해요体) | 尊敬(합니다体) | 意味 |
|---|---|---|---|
| 가다 | 가세요 | 가십니다 | 行かれます |
| 읽다 | 읽으세요 | 읽으십니다 | お読みになります |
| 하다 | 하세요 | 하십니다 | なさいます |
過去にするときは「-(으)셨어요」となります。「가셨어요(行かれました)」「읽으셨어요(お読みになりました)」のように、셨で過去の尊敬を表します。目上の人の過去の行動を語るときに使います。
🙏 「-(으)세요」の二つの顔 — 尊敬と依頼
このセクションは実用上とても大切です。「-(으)세요」には、実は2つの意味があります。
1つ目は、これまで見た尊敬の平叙・疑問です。「선생님이 책을 읽으세요(先生が本をお読みになります)」「어디 가세요?(どちらへ行かれますか)」のように、目上の人の行動を述べたり尋ねたりします。
2つ目は、丁寧な依頼・命令(〜してください)です。同じ「-(으)세요」の形で、「여기 앉으세요(ここにお座りください)」「이거 보세요(これを見てください)」のように、相手に何かを丁寧にお願いする表現になります。文脈と文末のイントネーションで、尊敬なのか依頼なのかが決まります。旅行や買い物で使う「여기요, 주세요(すみません、ください)」の「주세요」も、この依頼の形です。この2つの用法を知っておくと、実際の会話で戸惑いません。
✨ 特殊な尊敬語 — 계시다・드시다・주무시다
このセクションでは、「-(으)시-」を付けるのではなく、単語そのものが変わる特殊な尊敬語を学びます。日本語の「食べる→召し上がる」「いる→いらっしゃる」と同じ仕組みです。数は多くないので、頻出のものを覚えましょう。
| 普通の語 | 尊敬語 | 意味 |
|---|---|---|
| 있다(いる) | 계시다 | いらっしゃる |
| 먹다 / 마시다 | 드시다(잡수시다) | 召し上がる |
| 자다 | 주무시다 | お休みになる |
| 말하다 | 말씀하시다 | おっしゃる |
使い方の例です。「선생님이 교실에 계세요(先生が教室にいらっしゃいます)」「많이 드세요(たくさん召し上がってください)」「안녕히 주무세요(おやすみなさい)」などです。特に「드세요(召し上がってください)」と「안녕히 주무세요(おやすみなさい)」は日常のあいさつで頻出します。なお、存在の「있다」の尊敬は「계시다」ですが、所有の「〜がある」を高めるときは「있으시다(있으세요)」を使います。「질문 있으세요?(ご質問はありますか)」がその例です。
🏷️ 尊敬の助詞と名詞 — 께서・성함・연세
韓国語では、動詞だけでなく助詞や名詞も尊敬の形に変わります。ここが日本語と少し違うので、丁寧に見ていきましょう。
まず助詞です。主語の「이/가」は、目上の人には尊敬の助詞「께서」になります。「선생님께서 오세요(先生がいらっしゃいます)」のように使います。また、「〜に(あげる・言う)」の「에게/한테」は「께」になります(선생님께 드려요=先生に差し上げます)。
次に名詞です。目上の人の持ち物や属性は、専用の尊敬名詞を使います。代表的なものを覚えましょう。
| 普通の名詞 | 尊敬名詞 | 意味 |
|---|---|---|
| 이름 | 성함 | お名前 |
| 나이 | 연세 | お年 |
| 생일 | 생신 | お誕生日 |
| 집 / 밥 | 댁 / 진지 | お宅 / お食事 |
「성함이 어떻게 되세요?(お名前は何とおっしゃいますか)」「연세가 어떻게 되세요?(おいくつでいらっしゃいますか)」は、初対面で目上の人に尋ねる定番の丁寧表現です。フレーズごと覚えておくと役立ちます。また、「선생님(先生)」「사장님(社長)」「부모님(ご両親)」のように、人を表す語に「님」を付けて敬意を示すのも重要な習慣です。
⚠️ 日本人がよくする間違い
ここでは、尊敬語でありがちなミスを整理します。1つ目は日本語との大きな違いなので必ず押さえてください。
第一に、自分の動作に尊敬語を使わないことです。「-(으)시-」は相手や第三者を高める語尾なので、自分自身には使いません。「私が行きます」を「제가 가세요」と言うのは誤りで、「제가 가요/갑니다」が正解です。日本語で自分に「いらっしゃる」を使わないのと同じです。
第二に、韓国語は絶対敬語であるという点です。日本語では、自分の上司のことを社外の人に話すとき敬語を下げますが(相対敬語)、韓国語では身内の上司でも目上なら敬語を使い続けます(絶対敬語)。たとえば取引先に自社の部長の話をするときも、韓国語では「부장님께서…하십니다」と尊敬形のままにするのが一般的です。この違いは覚えておくと役立ちます。
第三に、特殊尊敬語の付け方です。「드시다(召し上がる)」はそれ自体が尊敬語なので、さらに「먹으세요」と混ぜて「드시먹으세요」などとはしません。「드세요」で完結します。特殊尊敬語は単語ごと置き換える、と覚えましょう。
📝 まとめと次回予告
今回の要点です。
- -(으)시-:主語を高める尊敬語尾。母音語幹→시(세요)、子音語幹→으시(으세요)。過去は셨어요。
- -(으)세요:尊敬(〜されます)と依頼(〜してください)の2つの意味。
- 特殊尊敬語:계시다・드시다・주무시다・말씀하시다。単語ごと置き換える。
- 尊敬の助詞・名詞:께서・께、성함・연세・생신・댁。人には「님」。
- 注意:自分には使わない。韓国語は絶対敬語。
次回第13回「接続語尾① 고・지만」では、文と文をつなぐ接続語尾に入ります。「〜して(고)」「〜だが(지만)」を使えば、短い文をつなげて長く自然な文が作れるようになります。ここから表現がぐっと大人っぽくなります。
📚 参考資料
관련 주제
- 尊敬語
- 으시
- 세요
- 계시다
- 드시다
- 주무시다
- 께서
- 성함 연세
- 絶対敬語
- 외국어
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- 한국어 어휘와 문법 (일본어편)
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- 누구나
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한국어 어휘와 문법 (일본어편)
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